ご自宅版の小規模宅地等の改正~相続税は後出しジャンケンができるのが怖い~

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前回の貸付事業用宅地等の改正、不動産業の界隈で話していたら、特定居住用宅地等の特例も(質問の)ニーズがかかったので、予定外に改正記事パート2

ちなみに前回の記事も質問を加えたところで微調整済み

http://tax-tt.com/2017/12/17/post-355/

1.まずは改正の文章を確認

改正の文章だけ差し込みだとわかりづらいので、国税庁の改正前タックスアンサーに加筆してみました。赤字部分が付け加えたもの

https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4124.htm

相続開始の直前において被相続人等の居住の用に供されていた宅地等で、次の区分に応じ、それぞれに掲げる要件に該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得したものをいいます(次表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件に該当する部分で、それぞれの要件に該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得した持分の割合に応ずる部分に限られます。)。
なお、その宅地等が2以上ある場合には、主としてその居住の用に供していた一の宅地等に限ります。

1 「一時居住者」については、タックスアンサー【相続人が外国に居住しているときの相続税の納税義務者の範囲等】をご覧下さい。
2 「一時居住被相続人」、「非居住被相続人」及び「非居住外国人」については、タックスアンサー【相続人が外国に居住しているとき】をご覧下さい。
3 二世帯住宅に居住していた場合
被相続人と親族が居住するいわゆる二世帯住宅の敷地の用に供されている宅地等について、一定の要件を満たすものである場合(二世帯住宅が構造上区分された住居であっても、区分所有建物登記がされている建物は除く。)は、特定居住用宅地等として取り扱います。 4 老人ホームなどに入居又は入所していた場合
次のような理由により、相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていなかった宅地等について、一定の要件を満たす場合(被相続人の居住の用に供さなくなった後に事業の用又は被相続人等以外の者の居住の用とした場合を除く。) は、特定居住用宅地等として取り扱います。
イ 要介護認定又は要支援認定を受けていた被相続人が次の住居又は施設に入居又は入所していたこと
A 認知症対応型老人共同生活援助事業が行われる住居、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム又は有料老人ホーム
B 介護老人保健施設
C サービス付き高齢者向け住宅
ロ 障害支援区分の認定を受けていた被相続人が障害者支援施設などに入所又は入居していたこと

ハ 介護医療院に入所していたこと

・・・表、細かすぎて読めないね。

次の題目で家なき子特例は、もう1度触れます!

2 家なき子特例(被相続人と同居していない親族が取得した場合)の従来のモデルケース

さっきの抜粋

被相続人の自宅を相続した場合に絞りました。

読めるよね・・・?

では、解説です。とりあえず、まぁ、みてください。

【家なき子特例が使えないケース】

【家なき子特例が使えるケース】

3.ここまでを踏まえて改正の経緯

【改正の経緯】
・ 今までの家なき子特例は【自己又は配偶者の所有家屋】に【相続開始前3年以内に居住してたら】家なき子とは呼べない。NGというジャッジでした。
・ これを形式的に回避するために横行していたのが
子Cが相続時点で持ち家がないことにするために・・・。

① 子Cの家を子供E(甲から見ると孫E)に相続の3年以上前から精算課税贈与をしておき、子Cは孫Eの家に住むパターン(子Cは持ち家がないが、世帯としては持ち家があると云える)
② 子Cの家を自己の経営する同族会社C社(正直、事業の実態の有無は問わない)に売却し、C社の社宅という形で住む(子Cは持ち家がないが、会社を含めたグループとしては持ち家があると云える)です。

4.こういうのもダメなのか、というケース

という改正の経緯を友人の税理士からヒアリングしていたら、教えてもらったこんなケース

・・・確かに今後はダメなんだろうな。

5.でも今回の記事で一番知ってもらいたいことは違うんです。

資産税を得意にしてて、例えば10年くらい税理士やっているキャリアがないと気づけないことかもしれないのですが、相続税だけは現在の法律だけではなく、過去の法律をしっておく必要があると考えています。

 今回の改正の結果は、相続人がその家族や同族会社の所有する家に住んでたら、家なき子とは言わないよというのがざっくりとしたイメージでしょうか。
相続税は”相続開始時の法律”で判断するので、相続前にしていた節税対策が改正により実際の相続時には使えなくなることもあるのが相続税周りの非常に怖いところです。

相続対策できたで安心するのは悪い事ではないのですが、定期的に健康診断みたく、税理士さんに現行法に対応しているか相談するのは大事だと思います。

というところで、今日の記事を〆たいと思います。

どうしよう。完全にマジメ記事で困る。

ではではー。

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