週刊実話~副業×上乗せ控除では20万ルールは関係ないのよ、医療費控除のワナ~

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最近、確定申告のお手伝いをしていて、何年もやってなかった!ではなく、中途半端な確定申告をしていたというケースにぶつかる事が多いです。

これ、税理士的には、リカバーするのに、何年もやってなかったよりタチが悪かったりするんですよねー。

お客様が悪いのではなく、税務署の手続きの仕組み上。。。

と、今日はそんな記事です。

そんな記事にはならかった!序章で終わってしまったよ。。。

1.サラリーマンの略式確定申告

税理士が確定申告セミナーをやると99%最初に話すアレです。

日本では個人の稼ぎに対して所得税・住民税(や消費税・事業税)がありますが、これは個人の方が自分で又は税理士に依頼して、売上~稼ぎ~税金を計算しなければなりません。

しかし、サラリーマンの方は、確定申告をしたことないケースが殆どです。

”年末調整”によって、会社が略式確定申告をしてくれているからなんですよね。

年末調整・源泉徴収の制度は日本の3大発明の1つともいわれています。(調べてみましたが出典不明・・・。つまり都市伝説ですが。)

(財務省レポートより引用)

ただ、いかんせん略式なので、考慮してもらえるのは概ね次のものまでとなります。

・ 年収

・ 社会保険料、小規模企業共済、生命保険料、地震保険料といった各種の保険料

・ 基礎控除、配偶者控除、扶養控除といった各種の生活費控除

・ 住宅ローン(1年目に確定申告済みの場合の2年目以降)

2.副業をやっている場合の確定申告

概ねこの記事にてまとめていますが、、、。

http://tax-tt.com/2017/10/11/%E9%80%B1%E9%96%93%E5%AE%9F%E8%A9%B1%EF%BD%9E%E5%89%AF%E6%A5%AD%E3%82%92%E5%A7%8B%E3%82%81%E3%81%9F%E3%82%89%E3%81%84%E3%81%A4%E3%81%8B%E3%82%89%E7%A2%BA%E5%AE%9A%E7%94%B3%E5%91%8A%E3%82%92%E3%81%99/

サラリーマンの方が副業をしている場合、基本的には確定申告が必要です。

ただ、金額が少ない場合には確定申告サボっていいよという制度がありました。

このブログでは初めてかな?条文ドン!

所得税法第121条(確定所得申告を要しない場合)

1 その年において給与所得を有する居住者で、その年中に支払を受けるべき第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等(以下この項において「給与等」という。)の金額が二千万円以下であるものは、次の各号のいずれかに該当する場合には、前条第一項の規定にかかわらず、その年分の課税総所得金額及び課税山林所得金額に係る所得税については、同項の規定による申告書を提出することを要しない。
 ただし、不動産その他の資産をその給与所得に係る給与等の支払者の事業の用に供することによりその対価の支払を受ける場合その他の政令で定める場合は、この限りでない。
一 一の給与等の支払者から給与等の支払を受け、かつ、当該給与等の全部について第百八十三条(給与所得に係る源泉徴収義務)又は第百九十条(年末調整)の規定による所得税の徴収をされた又はされるべき場合において、その年分の利子所得の金額、配当所得の金額、不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額、一時所得の金額及び雑所得の金額の合計額(以下この項において「給与所得及び退職所得以外の所得金額」という。)が二十万円以下であるとき
二 二以上の給与等の支払者から給与等の支払を受け、かつ、当該給与等の全部について第百八十三条又は第百九十条の規定による所得税の徴収をされた又はされるべき場合において、イ又はロに該当するとき。
イ 第百九十五条第一項(従たる給与についての扶養控除等申告書)に規定する従たる給与等の支払者から支払を受けるその年分の給与所得に係る給与等の金額とその年分の給与所得及び退職所得以外の所得金額との合計額が二十万円以下であるとき。
ロ イに該当する場合を除き、その年分の給与所得に係る給与等の金額が百五十万円と社会保険料控除の額、小規模企業共済等掛金控除の額、生命保険料控除の額、地震保険料控除の額、障害者控除の額、寡婦(寡夫)控除の額、勤労学生控除の額、配偶者控除の額、配偶者特別控除の額及び扶養控除の額との合計額以下で、かつ、その年分の給与所得及び退職所得以外の所得金額が二十万円以下であるとき。
【令】第二百六十二条の二
《改正》平16法014
《改正》平18法010
 省略(退職所得の場合の話です)
 省略(公的年金等に係る雑所得の話です)

読めねーよ(読む気しねーよ)といアナタ、普通です。
というわけで、強調したところを基に意訳すると。

① 年収2,000万円以下のサラリーマンに限り、
② 給与以外の稼ぎが20万円以下の場合
③ 確定申告をしなくても良いよ。
という話です。
で、実は似てて非なる規定があります。

条文GO!

租税特別措置法第8条の5(確定申告を要しない配当所得等)

1 平成二十八年一月一日以後に支払を受けるべき利子等又は配当等で次に掲げるものを有する居住者又は国内に恒久的施設を有する非居住者は、同年以後の各年分の所得税については、同法第百二十条、第百二十三条若しくは第百二十七条(これらの規定を同法第百六十六条において準用する場合を含む。)に規定する総所得金額、配当控除の額若しくは純損失の金額若しくは同法第百二十一条第一項(同法第百六十六条において準用する場合を含む。)に規定する給与所得及び退職所得以外の所得金額若しくは同法第百二十一条第三項(同法第百六十六条において準用する場合を含む。)に規定する公的年金等に係る雑所得以外の所得金額又は前条第一項に規定する上場株式等に係る配当所得等の金額の計算上当該利子等に係る利子所得の金額又は配当等に係る配当所得の金額を除外したところにより、確定申告に関連する規定を適用することができる。
一 内国法人から支払を受ける配当等(次号から第五号までに掲げるものを除く。)で、当該内国法人から一回に支払を受けるべき金額が、十万円に配当計算期間(当該配当等の直前に当該内国法人から支払がされた配当等の支払に係る基準日の翌日から当該内国法人から支払がされる当該配当等の支払に係る基準日までの期間をいう。)の月数を乗じてこれを十二で除して計算した金額以下であるもの
二 国若しくは地方公共団体又はその他の内国法人(第六号において「内国法人等」という。)から支払を受ける前条第一項第一号に掲げる利子等又は配当等
三 内国法人から支払を受ける投資信託でその設定に係る受益権の募集が前条第一項第二号に規定する公募により行われたもの(特定株式投資信託を除く。)の収益の分配
四 特定投資法人(前条第一項第三号に規定する特定投資法人をいう。)から支払を受ける投資口の配当等
五 内国法人から支払を受ける特定目的信託(その信託契約の締結時において原委託者が有する社債的受益権の募集が第八条の二第一項第二号に規定する公募により行われたものに限る。)の社債的受益権の剰余金の配当
六 内国法人等から支払を受ける第三条第一項第一号に規定する特定公社債の利子
2 前項に規定する居住者又は非居住者の平成二十八年以後の各年分の所得税について国税通則法第二十五条の規定による決定(当該決定に係る同法第二十四条又は第二十六条の規定による更正を含む。)をする場合におけるこれらの規定の適用については、同項の規定に該当する利子所得の金額並びに配当所得の金額及びこれに係る配当控除の額は、これらの条に規定する課税標準等及び税額等には含まれないものとする。
3 第一項第一号の月数は、暦に従つて計算し、十二月を超えるときは十二月とし、一月に満たない端数を生じたときはこれを一月とする。
4 第一項の居住者又は国内に恒久的施設を有する非居住者が有する同項各号に掲げる利子等又は配当等についての同項の規定の適用は、その一回に支払を受けるべき利子等の額又は配当等の額ごとに行うことができる。
5 第一項各号に掲げる利子等又は配当等のうち政令で定めるものに係る所得税法第二百二十四条、第二百二十五条及び第二百二十八条の規定の特例については、政令で定める。

読めないと思いますし、解説も難しいのであえてスルーします。

何が言いたいかは4まで進めたところで、明らかになってきます。

3.税金が返ってくる♪♪、うれしいケースも中にはありますよね

確定申告は必ずしも嫌な事ばかりではなく、お小遣いのように税金が戻ってくる確定申告もあります。
例えばこんな時、確定申告をすれば税金が返ってくるでしょう。

① 年間10万円を超える医療費がある場合・・・10万円を超える部分を生活費控除の上乗せにできる。

② ふるさと納税などの寄付をした場合・・・・寄付をした金額が生活費控除の上乗せにできる(詳細は割愛)

③ 住宅ローン控除を初めて受ける場合・・・・残債×1%分、税金が返ってくる(税額控除)

がメジャーなところです。

4.小規模な副業は確定申告が必要ないとは言うたけれど、、、。

ようやく本題に入れました・・・。

先ほどのサラリーマンの確定申告を要しない場合と確定申告を要しない配当等は、3の控除、すなわち税金還付のために確定申告(還付申告)をする場合に状況が変わってきます。

わかりやすく例を入れましょう。

よっしゃ!サラリーマン唯野仁成降臨!(只野仁でも良いですが、メガテンふぁんなので。)

ここに年間医療費15万、すなわち医療費控除5万円をON!

で、差額の10,000円が返ってくるわけです。

さらに只野仁成さんが
案①上場会社の配当が10万円ある
案②不動産投資の黒字が10万円ある
とすると、、、。

①は医療費控除で得する人、②は損する人なわけです。

???ですよね。さっきの法律をもう一度読み直しましょう。

確定申告を要しない配当所得等

⇒ 配当所得の金額を除外したところにより、確定申告に関連する規定を適用することができる。

つまり、①の配当所得を入れず、医療費控除だけ加えた確定申告でもOKという意味です。

* 配当に対する源泉所得税とか配当控除とかそのあたりは今回は無視してくだせぇ!!!

対して、、、

(サラリーマンが)確定所得申告を要しない場合

⇒ 確定申告書を提出することを要しない。

ちょっと違うんですよね、確定申告をしなくても良いとは言ってますが、

確定申告をする際に給与所得及び退職所得以外の所得を除外してよいとは言ってない。

つまり、確定申告をするなら不動産所得も医療費控除も両方乗せなければいけないという事になり、、、。

となるわけです。

・・・。税金増えとるがな!!!

という事でたまに、医療費控除だけの確定申告をされた方が税務署に怒られたりとかするわけです。(税務調査、、、ほどは大げさにはならないよ。)

ちなみに。

Step1.年末調整を受ける

Step2.医療費だけの確定申告をする。

Step3.赤字となった不動産の確定申告を追加する

だと、更正の請求というもっとクソゲーになりますが、また別の記事であげたいと思います(今回ほんとはこっちを書きたかった・・・。)

あー、ベイビーステップ終わっちゃったな・・・。

ではでは~。

・・・あ、ちょっと海外に数日行きますので、その間はUPできないかもです(元々、そんなに更新頻度高くないけど・・・。)

一応、書き溜めはして、バックデートで掲載しようとは思っておりますが・・・。

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